AIによる自動化が進み、セキュリティエンジニアの仕事がなくなるのではないかと不安を感じている方もいるでしょう。セキュリティエンジニアという職種自体は、今後もなくならない可能性が高いと考えられます。ログ監視などの定型業務はAIに置き換わる一方、未知の攻撃への対応や戦略策定には人の判断が必要です。
本記事では、セキュリティエンジニアがなくなると言われる理由や今後の需要に加え、市場価値を高める方法やキャリアパスを解説します。セキュリティエンジニアを目指している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
|セキュリティエンジニアは今後もなくならない可能性が高い
セキュリティエンジニアという職種自体は、AIが普及してもなくならない可能性が高いでしょう。AIは大量のログの監視やアラートの振り分けなど、一定のルールに基づく処理を得意としています。一方、過去に例のない攻撃を分析し、被害状況に応じて対応を判断する仕事を完全に代替することは困難です。
また、企業ごとに異なるリスクを分析し、適切なセキュリティ戦略を策定する役割も残ります。経営層や他部門へ対策の必要性を説明し、投資や運用方法について合意を得ることも重要です。
今後はセキュリティエンジニアが不要になるのではなく、担当する業務が変化すると考えられます。定型業務をAIに任せながら、分析や判断、設計、提案を担える人材の重要性は引き続き高まっていくでしょう。
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|なぜセキュリティエンジニアがなくなると言われるのか
セキュリティエンジニアがなくなると言われる背景には、AIやセキュリティ機能の進化があります。主な理由は以下のとおりです。
- AIによってログ監視や異常検知を自動化できるようになった
- セキュリティソフトやクラウドの標準機能が充実している
ここでは、それぞれの理由について解説します。
AIによってログ監視や異常検知を自動化できるようになった
ログ監視や異常検知の一部をAIで自動化できるようになったことが、セキュリティエンジニア不要論につながっています。AIは膨大なログから異常なパターンを検出し、アラートとして通知できます。
従来は人が監視画面を確認し、異常の兆候を探す必要がありました。現在はAIが定型的な監視を担えるようになり、人が対応する範囲は縮小しています。ただし、検知結果を評価し、対応の要否を判断する役割まですべてなくなるわけではありません。
セキュリティソフトやクラウドの標準機能が充実している
セキュリティソフトやクラウドの標準機能が充実したことも、セキュリティエンジニアがなくなると言われる理由です。以前はファイアウォールや侵入検知システムを個別に構築し、運用する必要がありました。
現在は標準機能を有効化することで、一定水準のセキュリティ対策が可能です。専門知識がなくても基本的な防御を行える環境が整い、専任者が不要だと考える企業もあります。一方、設定の最適化や検知結果の評価には専門知識が必要です。
|AIによって減る業務と今後も人が担う業務
AIの普及によって、定型的なセキュリティ業務は減少する可能性があります。一方、分析や判断、提案が必要な業務は今後も人が担うでしょう。
- AIが担う|ログ監視やアラートの振り分けなどの定型業務
- AIが担う|既知のパターンに基づく脆弱性診断やレポート作成
- 人が担う|未知の攻撃に対する分析やインシデント対応
- 人が担う|セキュリティ戦略の策定や経営層への提案
ここでは、AIが担いやすい業務と人の判断が必要な業務を解説します。
AIが担う|ログ監視やアラートの振り分けなどの定型業務
ログ監視やアラートの振り分けは、AIが担う割合が高まると考えられます。一定のルールやパターンを基に処理できるため、AIが活用されやすい業務です。AIは大量のログを常時監視し、設定された条件に合う動きを素早く検出できます。アラートの内容に応じた振り分けも自動化が可能です。
こうした作業をAIに任せることで、セキュリティエンジニアは分析やインシデント対応など、判断力が求められる仕事へ時間を使えるようになります。
AIが担う|既知のパターンに基づく脆弱性診断やレポート作成
既知のパターンに基づく脆弱性診断やレポート作成も、AIが代替しやすい業務です。過去に発見された脆弱性のデータと照合し、該当する箇所を洗い出す作業は自動化できます。診断結果を定められた形式にまとめる作業にも、AIを活用できるでしょう。ただし、AIによる診断は既知のパターンに基づくものです。
未知の脆弱性を見つけたり、診断結果を基に対策の優先順位を決めたりする場面では、引き続き人の知識と判断が求められます。
人が担う|未知の攻撃に対する分析やインシデント対応
未知の攻撃に対する分析やインシデント対応は、今後も人が担う可能性が高い業務です。過去に例のない攻撃は、既存のパターンとの照合だけでは検知や対処が難しくなります。インシデントが起きた場合は、影響範囲を特定し、関係者への連絡や復旧作業の優先順位を判断しなければなりません。複数の情報を確認しながら、状況に合った対応を選ぶ必要があります。
想定外の事態に合わせて判断する力は、AIに代替されにくいセキュリティエンジニアの強みです。
人が担う|セキュリティ戦略の策定や経営層への提案
セキュリティ戦略の策定や経営層への提案も、人が中心となって担う業務です。事業内容や守るべき情報、許容できるリスクは企業ごとに異なります。そのため、画一的な対策ではなく、自社の状況に合った戦略を設計しなければなりません。
対策を実施する際は、セキュリティ投資の必要性を経営層へ説明することも重要です。専門的な内容をわかりやすく伝え、経営判断につなげる役割には、技術力に加えて提案力やコミュニケーション力が求められます。
|セキュリティエンジニアの需要が今後もなくならない4つの理由
AIによって一部の業務が自動化されても、セキュリティエンジニアの需要がなくなる可能性は低いでしょう。主な理由は以下の4つです。
- サイバー攻撃が増加・複雑化している
- クラウドやIoTの普及で守るべきシステムが増えている
- 生成AIの利用によって新たな情報漏えいリスクが生まれている
- AIやセキュリティツールを使いこなす専門人材が必要になる
それぞれの理由を詳しく解説します。
サイバー攻撃が増加・複雑化している
サイバー攻撃が増加し、手口も複雑化していることから、セキュリティエンジニアの需要は今後も続くと考えられます。攻撃者も新しい技術を取り入れて手法を変えているため、防御側にも継続的な対応が必要です。
単純なパターンとの照合だけでは見つけにくい、巧妙な攻撃もあります。そのため、状況を分析し、適切な対策を判断できる専門人材が欠かせません。攻撃手法の変化に合わせて防御方法を更新する役割は、今後も重要になるでしょう。
クラウドやIoTの普及で守るべきシステムが増えている
クラウドサービスやIoT機器の普及により、企業が守るべきシステムの範囲は広がっています。従来は社内ネットワークが主な対象でしたが、現在はクラウド環境や外部から接続されるIoT機器も対策しなければなりません。
対象が増えるほど、設定ミスや脆弱性が生じる箇所も増加します。個別のシステムだけを見るのではなく、社内外の環境を含めて管理する視点が必要です。幅広い対象を把握し、全体に適した対策を設計できる人材の需要は続くでしょう。
生成AIの利用によって新たな情報漏えいリスクが生まれている
生成AIの業務利用が広がることで、新たな情報漏えいリスクも生まれています。従業員が生成AIへ機密情報を入力してしまうケースや、生成AIを悪用した巧妙なフィッシング攻撃などへの注意が必要です。
こうしたリスクには、従来のセキュリティ対策だけでは十分に対応できない場合があります。生成AIの特徴や利用方法を踏まえ、情報の取り扱い方や必要な対策を検討しなければなりません。新たなリスクを理解して対応できる専門人材の重要性は、今後も高まるでしょう。
AIやセキュリティツールを使いこなす専門人材が必要になる
AIやセキュリティツールが普及するほど、適切に使いこなせる専門人材が必要になります。ツールを導入するだけでは、十分なセキュリティ対策になるとは限りません。自社の環境に合わせて設定し、検知結果を評価する知識が求められます。
AIの分析結果には、誤検知や見落としが含まれる可能性もあります。結果をそのまま受け入れるのではなく、人が内容を確認して対応を判断することが重要です。AIを業務に取り入れながら、最終的な判断を担える人材の価値は高まっていくでしょう。ぜひ実際の求人もご覧ください。
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|今後市場価値が下がりやすいセキュリティエンジニアの特徴

AI時代には、担当できる業務や学習姿勢によって市場価値に差が生まれる可能性があります。市場価値が下がりやすい人の特徴は以下のとおりです。
- マニュアルに沿った監視・運用業務しかできない
- AIや新しいセキュリティツールを学んでいない
- 担当業務の目的や企業の課題を理解していない
- 異常発生時に自分で判断して対応できない
現在の担当業務と照らし合わせながら確認してみましょう。
マニュアルに沿った監視・運用業務しかできない
マニュアルに沿った監視や運用しかできない人は、市場価値が下がりやすくなります。決められた手順で画面を確認し、指示された処理を行う仕事は、AIや自動化ツールが代替しやすい領域です。手順どおりの対応しか経験していない場合、想定外の事態が起きた際に適切な判断ができません。定型業務を続けるだけでなく、アラートが出た理由を分析し、必要な対応を考える力が重要です。
AIや新しいセキュリティツールを学んでいない
AIや新しいセキュリティツールを学んでいない人も、市場価値が下がりやすいでしょう。セキュリティ分野は技術の変化が速く、過去に身に付けた知識だけでは新たな脅威に対応しにくくなります。
従来の方法だけに頼っていると、AIやツールを活用する人よりも業務効率が低下する可能性があります。新しい仕組みの特徴や使い方を学び、日々の業務へ取り入れる姿勢が必要です。
担当業務の目的や企業の課題を理解していない
担当業務の目的や企業の課題を理解していない人は、単なる作業者として見られやすくなります。指示された業務をこなすだけでは、状況が変わった際に適切な対応を選べません。
たとえば、ログ監視を行う際も、何を守るための監視なのかを理解することが重要です。企業の事業内容や想定されるリスクを把握すれば、注意すべき異常や優先すべき対応を判断できます。業務の背景まで理解し、企業の課題解決に貢献できる人材を目指しましょう。
異常発生時に自分で判断して対応できない
異常が発生した際に自分で判断できない人も、市場価値が下がりやすい傾向があります。インシデント対応では、マニュアルに記載されていない状況に直面することもあります。その際に指示を待つだけでは、被害が広がる可能性があります。
状況を分析し、影響範囲や緊急度を確認したうえで、対応の優先順位を決める力が必要です。必要に応じて関係者へ連絡し、自ら行動する姿勢も求められます。以下の記事では、セキュリティエンジニアの仕事内容や将来性、働く際の注意点について紹介しています。
関連記事:セキュリティエンジニアはやめとけ?きつい理由と将来性・年収・仕事内容まで解説
|AI時代に市場価値が高まるセキュリティエンジニアの特徴
AI時代には、自動化できない業務を担いながら、AIを活用できる人材の市場価値が高まります。主な特徴は以下のとおりです。
- AIや自動化ツールを業務に活用できる
- クラウドを含めたセキュリティ全体を設計できる
- セキュリティリスクを分析して対策を提案できる
- 技術的な内容を経営層や他部門へわかりやすく説明できる
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
AIや自動化ツールを業務に活用できる
AIや自動化ツールを業務に活用できる人材は、今後も市場価値が高まるでしょう。AIを仕事を奪う存在と捉えるのではなく、定型業務を任せる道具として使う姿勢が重要です。
ログ監視やレポート作成を効率化できれば、人は分析や判断などの高度な業務へ時間を使えます。ただし、ツールの結果をそのまま受け入れるのではなく、内容を正しく解釈する力も必要です。
AIを使って業務効率と対応の質を高められる人材は、企業にとって重要な存在になります。
クラウドを含めたセキュリティ全体を設計できる
クラウドを含めたセキュリティ全体を設計できる人材も、市場価値が高まると考えられます。現在はオンプレミス環境だけでなく、クラウドサービスやIoT機器など、幅広い対象を守る必要があります。個別の問題へ対応するだけでは、環境全体の安全性を確保できません。複数のシステムを俯瞰し、一貫したセキュリティ対策を設計する力が求められます。
運用業務で経験を積みながら設計まで担当できるようになれば、企業のセキュリティ体制を支える人材として評価されるでしょう。
セキュリティリスクを分析して対策を提案できる
セキュリティリスクを分析し、具体的な対策まで提案できる人材は高く評価されます。異常を見つけて報告するだけでなく、発生した背景や企業への影響を考えることが重要です。リスクの原因を分析できれば、一時的な対応にとどまらず、再発を防ぐ対策も提案できます。また、複数のリスクがある場合は、影響の大きさを踏まえて優先順位を示す必要があります。
分析から提案まで一貫して担当できる人材は、企業の課題解決や意思決定に貢献できるでしょう。
技術的な内容を経営層や他部門へわかりやすく説明できる
技術的な内容を経営層や他部門へわかりやすく説明できる人材も、市場価値が高まります。セキュリティ対策には投資や業務ルールの変更が伴うことがあり、関係者の理解を得なければ実行できません。専門用語を並べるのではなく、想定されるリスクや対策の必要性を相手に合わせて伝える力が必要です。技術的な知識と説明力の両方があれば、セキュリティ部門と経営層、他部門をつなぐ役割を担えます。
企業全体の対策を進めるうえで、重要な能力といえるでしょう。以下の記事では、セキュリティエンジニアに向いている人の特徴や目指し方について紹介しています。
関連記事:セキュリティエンジニアに向いている人の特徴とは?仕事内容や目指し方まで徹底解説
|セキュリティエンジニアが目指せるキャリアパス

セキュリティエンジニアとして経験を積むと、専門性や志向に応じたキャリアを目指せます。主なキャリアパスは以下のとおりです。
- セキュリティアナリストとして分析力を高める
- セキュリティアーキテクトとして設計を担当する
- セキュリティコンサルタントとして企業の課題解決を支援する
- マネージャーとして組織のセキュリティ戦略を担う
それぞれの仕事内容や求められる役割を解説します。
セキュリティアナリストとして分析力を高める
セキュリティアナリストは、脅威分析やインシデントの原因究明に関する専門性を高めるキャリアです。日々発生するアラートやログを詳しく調べ、攻撃の全体像や意図を読み解きます。
既知のパターンを確認するだけでなく、複数の情報を組み合わせて異常の原因を見いだす分析力が必要です。経験を重ねることで、過去に例のない攻撃にも対応しやすくなります。技術を深く追究し、分析の専門家として活躍したい人に適した選択肢でしょう。
セキュリティアーキテクトとして設計を担当する
セキュリティアーキテクトは、企業のシステム全体を俯瞰し、セキュリティ要件を組み込んだ設計を担当します。運用中に発生した問題へ対応するだけでなく、企画や設計の段階からリスクを抑える役割です。
オンプレミス環境やクラウドサービス、IoT機器などを含め、全体に適した対策を検討します。個別の技術だけではなく、幅広い知識と実務経験が必要です。運用や監視の経験を活かし、上流工程へ進みたい人が目指せるキャリアといえます。
セキュリティコンサルタントとして企業の課題解決を支援する
セキュリティコンサルタントは、企業が抱える課題を分析し、状況に合った対策を提案する仕事です。事業内容や企業規模、守るべき情報などを確認し、必要なセキュリティ戦略を検討します。
複数の企業を支援する場合は、さまざまな業種や環境に対応する知識が必要です。また、技術的な内容を経営層や担当者へわかりやすく伝える力も求められます。多様な現場で経験を積み、分析力と提案力を活かしたい人に適したキャリアです。
マネージャーとして組織のセキュリティ戦略を担う
マネージャーは、組織全体のセキュリティ戦略や体制の構築を担います。個人で技術的な業務を行うだけでなく、チームをまとめ、対策の方向性や業務の優先順位を決める役割です。
インシデントが発生した際は、関係者と連携しながら対応を指揮することもあります。また、経営層へリスクや投資の必要性を説明し、組織としての判断につなげる力も必要です。技術力に加えて、マネジメントやコミュニケーションの能力を活かせるキャリアでしょう。
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セキュリティエンジニアという職種は、AIが普及してもなくならない可能性が高いと考えられます。ただし、ログ監視やアラートの振り分けなど、定型業務を中心に担当している場合は、AIや自動化ツールによって仕事が減る可能性があります。
今後も活躍するには、未知の攻撃を分析する力や、インシデント発生時に自ら判断する力が重要です。クラウドを含めた全体設計や、経営層や他部門への提案ができれば、さらに市場価値を高められるでしょう。
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