ロボットエンジニアの平均年収は?年収を上げる方法や必要なスキル・将来性を解説
ロボットエンジニアの年収は、担当する仕事内容や技術分野、経験年数、勤務先によって異なります。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」に掲載された賃金データでは、産業用ロボット開発技術者は659万円、設置・設定は522.5万円、保守・メンテナンスは571.2万円です。
年収アップを目指すには、機械設計や電気・電子、制御の知識に加え、C言語・C++・Python、AI、画像認識などの専門技術を身に付け、担当できる工程を広げることが重要です。本記事では、ロボットエンジニアの平均年収や差が出る理由、必要なスキル、年収を上げる方法、転職先を選ぶポイント、将来性を解説します。
ロボットエンジニアを目指している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
|ロボットエンジニアの平均年収はいくら?
ロボットエンジニアの年収は、担当する仕事によって異なります。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」に掲載されている令和7年賃金構造基本統計調査を基にした全国の賃金データでは、以下のとおりです。
- 産業用ロボット開発技術者:659万円
- 産業用ロボットの設置・設定:522.5万円
- 産業用ロボットの保守・メンテナンス:571.2万円
仕事内容は、担当分野によって次のように異なります。
- 開発:基本設計、詳細設計、試作、試験、ソフトウェア開発
- 設置・設定:据え付け、初期設定、ロボットティーチング
- 保守・メンテナンス:日常点検、定期点検、故障対応
それぞれの業務を通じて、ロボットの導入や安定稼働を支えます。なお、これらは各職種が属する主な職業分類に対応した統計であり、ロボットエンジニアだけの年収を示すものではありません。実際の給与は、仕事内容や経験、勤務先の給与制度を確認して判断しましょう。
参考:職業情報提供サイトjob tag _産業用ロボット
|ロボットエンジニアの年収に差が出る理由
ロボットエンジニアの年収は、職種名が同じでも担当業務や経験、勤務先によって変わります。
年収差が生まれる主な理由は、次の3つです。
- 担当する仕事内容や技術分野が異なるため
- 経験年数や担当工程によって評価が変わるため
- 企業規模や企業タイプによって給与水準が異なるため
求人を比較する際は、提示年収だけでなく、任される工程や必要な技術、昇給の仕組みまで確認することが大切です。
担当する仕事内容や技術分野が異なるため
ロボットエンジニアは、仕事内容や技術分野によって担当する業務が幅広い職種です。新しい機能や動作を考える開発業務では、機械・電気・制御・ソフトウェアを組み合わせる力が求められます。一方、設置や保守では、現場でロボットを安定して動かし、不具合へ対応する力が重要です。
画像認識やAI、ROS※などの習得に時間がかかる技術を扱える人は、担当できる業務が広がり、評価にもつながりやすくなります。
求人票では職種名だけで判断せず、具体的な業務内容を確認しましょう。
※ROS: ロボットのソフトウェアを作るための、世界中で使われているオープンソースの枠組み(フレームワーク)
経験年数や担当工程によって評価が変わるため
年収を左右するのは、経験年数だけではなく、自分で担当できる工程の広さです。入社直後は指導を受けながら基礎を学ぶ場面が多いものの、経験を積んで次のような業務を進められるようになると、任される役割も広がります。
- 仕様の確認
- 設計
- 実装
- 動作確認
さらに、設計方針の決定や関係者との調整、チームの進行管理まで担当できれば、開発全体へ貢献できる人材として評価されやすくなるでしょう。転職時には勤続年数だけでなく、自分で判断した範囲や完了できる工程を具体的に伝えることが重要です。
下の記事では、未経験でもロボットエンジニアに転職する方法について紹介しています。
関連記事:未経験でもロボットエンジニアに転職は可能?仕事内容や必要なスキルを紹介
企業規模や企業タイプによって給与水準が異なるため
同じ技術や経験をもっていても、勤務先の給与制度や事業内容によって年収は変わります。大手メーカーでは昇給や福利厚生を含めた待遇を確認し、スタートアップでは成果の評価方法や賞与の仕組みまで見ることが大切です。ロボットSIerでは、工場に合わせた設備の提案や設置、設定を担当する場合があり、出張や残業の有無も実際の収入に影響します。
企業タイプごとの傾向だけで判断せず、基本給、賞与、各種手当、昇給条件を比較しましょう。仕事内容と待遇の両方を確認すると、希望に合う転職先を選びやすくなります。
|ロボットエンジニアが年収を上げるために必要なスキル
ロボットエンジニアが年収を上げるには、得意分野を深めながら、周辺技術や開発全体を進める力を身に付けることが重要です。評価につながりやすい主なスキルは、次の4つです。
- 機械設計・電気・電子・制御に関する知識
- C言語・C++・Pythonなどのプログラミングスキル
- AI・画像認識・ROSなどの先端技術
- 要件定義やプロジェクト管理のスキル
担当できる工程を段階的に広げ、自分の専門性と組み合わせていきましょう。
機械設計・電気・電子・制御に関する知識
ロボットを設計し、安全かつ狙ったとおりに動かすには、主に以下の知識が必要です。
- 機械
- 電気・電子
- 制御
機械分野では3D CADを使った設計や、部品の強度と熱の影響を確認する解析技術が役立ちます。電気・電子分野では、回路設計、センサ選定、電源設計、ノイズ対策などが重要です。さらに、PLCによる設備制御まで扱えると、設計だけでなく工場への導入や動作調整にも関われます。
得意分野を軸に複数の領域をつなげられるようになると、任される業務が増え、評価される機会も広がるでしょう。
C言語・C++・Pythonなどのプログラミングスキル
ロボットの動作制御や画像認識を担当するには、用途に合ったプログラミングスキルが欠かせません。C言語やC++は、センサから得た情報を処理し、モータなどを動かす組み込み開発や制御で使われます。Pythonは、画像認識、AI開発、データ処理などに活用できる言語です。
Linuxの開発環境やGitによる変更履歴の管理も扱えると、複数人で進める開発へ参加しやすくなります。機械や電気の知識とプログラミングを組み合わせ、設計から実装まで対応できる範囲を広げましょう。
AI・画像認識・ROSなどの先端技術
AI・画像認識・ROSなどの先端技術を扱えると、自律的に動くロボットや複数の機能を連携させる開発へ関わりやすくなります。画像認識は、カメラの映像から人や物、不良品などを判別する技術です。ROSは、センサ、モータ、制御プログラムをつなぎ、ロボット全体を動かす仕組みとして使われます。
周囲の地図を作りながら現在地を判断するSLAMも身に付ければ、自律移動ロボットの開発へ担当範囲を広げられるでしょう。先端技術だけを学ぶのではなく、既存の専門分野と組み合わせることが大切です。
要件定義やプロジェクト管理のスキル
年収の上限を高めるには、技術を扱う力に加えて、顧客の要望を整理し、開発全体を進める力も重要です。要件定義では、顧客が抱える課題を確認し、ロボットに必要な機能や性能を決めます。プロジェクト管理では、予算や日程を把握しながら、機械・電気・ソフトウェアの担当者をまとめなければなりません。
自分の作業だけでなく、関係者との調整やチーム全体の成果にも責任をもてる人は、より広い役割を任されやすくなります。まずは小規模な案件や進捗確認から管理経験を積みましょう。
|ロボットエンジニアが年収を上げる方法

ロボットエンジニアが年収を上げるには、技術を学ぶだけでなく、担当工程や勤務先、実績の伝え方も見直す必要があります。
主な方法は、次の4つです。
- 専門性の高い技術分野を身に付ける
- 上流工程やマネジメントの経験を積む
- 成長分野や待遇の良い企業へ転職する
- 経験やスキルを整理して応募先へ伝える
現在の強みと不足している経験を整理し、取り組みやすい方法から進めましょう。
専門性の高い技術分野を身に付ける
年収アップを目指す際は、担当できる人が限られる技術分野を身に付ける方法があります。画像認識やAIはカメラやセンサから得た情報を分析する開発に使われ、ROSはロボットの複数の機能を連携させる際に役立ちます。さらに、SLAMやC++による制御技術を扱えれば、自律移動ロボットの開発にも関わりやすくなるでしょう。
ただし、複数の技術を一度に学ぶと専門性が曖昧になる場合があります。機械、電気、ソフトウェアの中から軸を決め、業務に必要な周辺技術を段階的に加えることが大切です。
上流工程やマネジメントの経験を積む
設計や実装だけでなく、開発の方針や進め方を決める役割を担うと、評価される範囲が広がります。上流工程では、顧客の課題を確認し、必要な機能、性能、予算、日程などを整理します。マネジメントでは、機械・電気・ソフトウェアの担当者と連携し、進捗や課題を管理する力が必要です。
以下のような、現在の業務で担える役割から経験を積み、開発全体を見渡せる力を身に付けましょう。
- 設計の進捗確認
- 関係者との情報共有
- 課題の整理
最初から大規模なプロジェクトを担当する必要はありません。
成長分野や待遇の良い企業へ転職する
現在の勤務先で担当業務や昇給の機会が限られている場合は、自分の経験をより高く評価する企業への転職も選択肢になります。大手メーカー、スタートアップ、ロボットSIerでは、任される仕事や給与制度、手当の内容が異なります。提示された年収だけでなく、以下の条件も比較しましょう。
- 基本給・賞与の内訳
- 出張・残業の有無
- 研修制度
- 開発環境
自分が伸ばしたい技術を扱えるか、将来希望する工程へ進めるかも重要です。目先の給与だけで決めず、経験を積んだ後のキャリアまで考えて転職先を選んでください。
経験やスキルを整理して応募先へ伝える
希望する年収で転職するには、技術名を並べるだけでなく、入社後にどのような貢献ができるかを具体的に示すことが大切です。職務経歴書や面接では、担当した課題、自分で判断した範囲、使用した技術、得られた成果を整理しましょう。
未経験者は、設計図やプログラムをまとめたポートフォリオを用意し、技術を選んだ理由や完成までの手順も説明します。経験者は、実際に担当した工程を明確にすると強みが伝わります。応募先が求める条件に合わせて実績の見せ方を調整してください。
|ロボットエンジニアの転職先を選ぶポイント
ロボットエンジニアの転職先は、年収だけでなく、仕事内容やスキルとの相性、入社後の成長環境まで確認して選ぶことが大切です。比較したいポイントは、次の4つです。
- 担当するロボットの種類と仕事内容を確認する
- 保有スキルを評価してもらえる企業を選ぶ
- 給与だけでなく研修制度やキャリアパスも比較する
- 転職サイトで求人の年収や応募条件を比較する
同じ職種名でも担当工程は異なるため、求人票と面接の両方で詳しく確認しましょう。
Next Engineerの実際の求人もぜひご覧ください。
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担当するロボットの種類と仕事内容を確認する
応募前には、扱うロボットの種類と担当工程を具体的に確認しましょう。ロボットによって、求められる主な知識は異なります。
- 自律移動ロボット:ROSやSLAM※、センサとモータを連携させる知識
- 産業用ロボット:機械設計や回路設計、PLCによる設備制御
- 研究開発:設計や実装、試作、動作検証
- 保守・メンテナンス:点検や設定、不具合への対応
求人票に「ロボット開発」と書かれていても、担当範囲は企業ごとに異なります。設計から保守までのどの工程を任されるのか、面接でも確認してください。
※SLAM:ロボットや自動運転車が「自分の位置を探る」と「周囲の地図を作る」を同時に行う技術
保有スキルを評価してもらえる企業を選ぶ
転職後もこれまでの経験を活かすには、保有スキルと求人の仕事内容が合う企業を選ぶことが重要です。分野ごとに評価されやすい主なスキルは、次のとおりです。
- 機械系:3D CADや構造解析
- 電気系:回路設計やセンサ選定
- 制御系:PLCや設備制御
- ソフトウェア系:C++やPython、Linuxを使った開発
求人票の必須条件と歓迎条件を確認し、自分の経験がどの業務に活かせるかを整理しましょう。ロボット分野が未経験でも、関連する設計や制御の実績があれば評価される可能性があります。
給与だけでなく研修制度やキャリアパスも比較する
転職先を選ぶ際は、入社時の給与に加えて、技術を伸ばせる環境や将来のキャリアパスも比較しましょう。主な確認項目は次のとおりです。
- 書籍購入や外部講習への支援があるか
- 実機を使って検証できる設備があるか
- 昇給や昇格の基準が明確か
- 希望する工程や職種へ異動できるか
- 管理職と専門職のどちらを目指せるか
開発全体を管理する立場と、特定技術を深める専門職では、積むべき経験が異なります。年収だけで判断せず、長期的に専門性を高められる企業を選んでください。
Next Engineerでは2,000種以上の研修講座や約300種の資格取得支援を提供しています。詳細は以下をご覧ください。
▽研修を知る
転職サイトで求人の年収や応募条件を比較する
転職サイトを利用する際は、想定年収の上限だけでなく、給与の内訳や応募条件を同じ基準で比較しましょう。給与面では、次の項目を確認します。
- 基本給と賞与
- 固定残業代の金額と対象時間
- 残業代の支給方法
- 出張日当や休日出勤手当
- 月給制または年俸制
あわせて、必要な経験年数や担当工程、使用する言語、開発環境も整理してください。複数の求人を一覧にすると、自分の経験を活かせる企業や実際の待遇を判断しやすくなります。不明点は応募前や面接時に確認しましょう。
|ロボットエンジニアの将来性

ロボットエンジニアは、ロボットを活用する業界の広がりやAI技術の進歩により、今後も活躍が期待される職種です。将来性を考えるうえで押さえたいポイントは、次の3つです。
- 製造・物流・医療などで需要が広がっている
- AIとロボットを組み合わせた開発が進んでいる
- 専門性を高めれば長期的な年収アップを目指せる
得意分野を深めながら、関連する技術や工程へ担当範囲を広げることが、長く活躍するうえで重要です
関連記事:ロボットエンジニアがしんどいと言われる理由とは?働き方や将来性も紹介
製造・物流・医療などで需要が広がっている
ロボットエンジニアが活躍する分野は、工場の製造工程だけではありません。製造では自動化設備や協働ロボット、物流では倉庫内を移動して荷物を運ぶロボットが使われています。医療や介護、サービスの現場でも、人の活動を支援するロボットの開発や導入が進んでいます。扱うロボットが変わっても、以下のような基礎は活かせるケースが多いです。
- 機械設計
- 電気・電子
- 制御
- ソフトウェア
複数の業界で応用できる技術を身に付けると、特定の製品や業界だけに依存せず、転職先の選択肢を広げやすくなるでしょう。
AIとロボットを組み合わせた開発が進んでいる
ロボット開発では、決められた動きを繰り返すだけでなく、カメラやセンサから得た情報を基に動作する仕組みが重視されています。
AIや画像認識は、人や物の判別、検査、移動経路の判断などに活用できます。ROSを使ってセンサやモータ、制御機能を連携させ、SLAMによって周囲の地図と現在地を把握できれば、自律移動するロボットの開発にも関われるでしょう。機械、電気、ソフトウェアの知識を組み合わせ、ロボット全体を1つのシステムとして考えられる人材は、担当できる開発の幅を広げられます。
関連記事:機械設計にAIを活用する方法とは?メリット・注意点や今後求められるスキルを解説
専門性を高めれば長期的な年収アップを目指せる
ロボットエンジニアとして長期的な年収アップを目指すには、経験年数を重ねるだけでなく、担当できる仕事の難易度と範囲を高めることが重要です。専門技術を深めると、対応できる開発が増えます。さらに、仕様の確認から設計、実装、評価まで進められるようになれば、即戦力として評価されやすくなるでしょう。
最初からすべての分野を学ぶ必要はありません。機械、電気、ソフトウェアから得意分野を決め、関連技術や上流工程へ段階的に担当範囲を広げてください。
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ロボットエンジニアの年収は、仕事内容や経験年数、勤務先によって変わります。
年収アップを目指すには、機械設計・電気・電子・制御の知識を軸に、専門的なスキルを身に付けることが大切です。さらに、要件定義やプロジェクト管理などの上流工程を経験すると、担当できる役割が広がります。転職時は想定年収だけでなく、給与の内訳や研修制度、キャリアパスも比較し、自分の経験を評価してもらえる企業を選びましょう。
機械・電気・ITに特化した求人・転職支援サイトのNext Engineerでは、常時15,000件以上の求人情報を掲載し、リモートワークや最寄り駅から徒歩10分、月給30万円以上求人などのこだわり条件検索も可能なため、自分に合った求人を見つけやすいのが特徴です。また無料の「会員サービス」もあり、専任のコーディネーターに求人情報やキャリアの相談もできます。
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