大学は法学部へ進学し、公務員を目指していましたが、自分の将来を考えるうちに「自分が本当にやりたい仕事はなんだろう」と考えるようになりました。
そんな時に思い出したのが、祖父が営んでいたプラスチック樹脂工場を遊び場のようにして過ごしていた子どもの頃のこと。いらなくなった部品をもらって工作するのが楽しくて、家族の話では、幼稚園に通う頃には1人でブレーカーを分解していたそうです(笑)。その記憶をきっかけに、「自分はモノを作ることが好きなんだ」ということを意識し、エンジニアの仕事を目指すことにしました。
勤務地にこだわらず就職活動を進める中で惹かれたのが、自動車、航空機、半導体などの多様な業界の配属先があり、さまざまな経験ができるオープンアップネクストエンジニア。初めてのことや、新しい世界を知るのが好きな自分に合っていると思ったのです。家賃補助など福利厚生が充実していることも、安心材料でした。
「ここで経験を積み、自分のやりたいことを見付けられたらいい。最初の3、4年は勉強の期間。まずは一生懸命に頑張ってみよう」そう思って、入社を決めました。
入社後は半導体製造装置メーカーで、半導体向けの「MOCVD装置※」の設計に携わっています。特殊なガスを吹きつけて、目に見えないくらい薄い半導体の膜を形成する装置です。
私の主な担当は、ガスを反応させる「リアクター(反応炉)」内の部品です。50〜100点ほどある部品のうち一部を設計し、紙一枚が引っかかるかどうかというほど微細なくぼみや段差まで作り込みます。わずかな誤差で半導体の膜にムラが生じてしまうので、高い精度が求められる仕事です。神経は使いますが、納品先には先端技術を研究開発する企業の研究所も多く、「何だこれ!?」と驚くようなものとの出会いも日常茶飯事。毎日ワクワクしながら働けています。
配属後はまず、部品の見積もりや発注業務を通して、部品名や社内システムを覚えました。設計業務を始めたのは配属後2カ月目から。先輩が担当する案件を手伝いながら、CADソフトの使い方を身に付けました。
1人で設計を担当するようになったのは、1年ほど経った頃。先輩に教わりながら、配管を固定する板金部品など、まずは構造がシンプルな部品を担当しました。その半年後には、装置の中核であるリアクター内部の部品の改良設計に挑戦。より高度な設計を任されるようになりました。2年目からは、先輩に同行してお客様先でのメンテナンスにも携わるように。装置を組み立てながら「ここは工具が入りにくい」「もっと組み立てやすい設計にできそう」と気付き、設計に活かすようになりました。
現在は先輩と一緒に、部品の選定・発注、外注先とのやりとりをしながら、装置の設計から試験、お客様先での組み立て・最終試験、引き渡しまで一連の工程に携わっています。最初の工程から最後までモノづくりに関わることで、1つの装置を作っているという実感をもてるようになりました。
仕事を覚える上で心掛けたのは、わからなかったらすぐ聞くこと。わかったふりが一番危ないので、疑問があれば、その場で先輩に確認して正しい知識を付けるようにしました。未経験だからこそ自分から学びにいく。前向きに取り組むと、頭に入りやすくなる気がします。
職場の先輩方は最初から手取り足取り教えるのではなく、「まず自分で考えてごらん」と時間をくれます。考えてもわからないときはヒントをもらい、また自分で考える。その繰り返しで、エンジニアとして考える力が付きました。そうして新しく任される仕事が増えていくことが嬉しくて、「期待に応えたい」という気持ちで取り組んでいます。
※MOCVD装置:Metal Organic Chemical Vapor Deposition。原料に有機金属やガスを使用して、化合物半導体の成膜を行う装置。
入社したての頃と比べると、自信をもって行動できるようになったと感じています。いくつものトラブルを乗り越えながら、何カ月もかけてゼロから装置を作り上げる。お客様に引き渡して「ありがとう!」と感謝していただける――そんな経験から得た達成感や「人の役に立っている」という手応えが、自信につながりました。
今は後輩もでき、設計資料の整理法など、自分が入社当時に苦労したことを伝えるようにしています。もちろん、自分自身もまだまだ、先輩社員から教わることばかりです。これからも前向きに学ぶ姿勢を変えず、早く独り立ちして、チームに貢献できるようになりたいです。